能
東京大薪能を見に行く。これを主催している団体や代表者のことを特に知らず、無料だからと友達の踊り子ちゃんを誘っていく。
台場の潮風公園は眺めも良く、芝生で気持ちがよい。観客も結構な人数。今回は能「高砂」、狂言「末広」、半能「石橋」。もらったパンフレットの解説を読みながら開演を待つ。
40分押しで、この薪能の主催者である世界芸術文化振興協会の代表、深見東州氏が舞台にあがり、解説をはじめた。パンフレットにあるこの人のプロフィールには、他の出演者の5倍くらいの量のご説明が書いてあったので、なんとまあ虚栄心の強い代表者だろうと思っていたら、案の定、能の解説というよりはこのオッサンの独演会。自慢話が多い。とにかく自分の経歴、肩書きにはじまり、「君たちは能なんて知らんだろうから教えてやる」と言わんばかりの横柄な態度。虚栄心が服を着てるようなオッサンに、「秘すれば花」と説明されても説得力皆無。能がはじまる前に辟易、興醒め。ジャイアンリサイタル以上の苦痛。何をしたら人はこんなにも胡散臭くなれるのだろうかという疑問に包まれる。
帰ろうかと思っていたらようやく能がはじまる。初めて見たが、解説を読んだので流れはわかった。腰の位置が常に床と平行して歩いている。これはもしかしてすごい運動量なのかしらん。それにしてもさっきのオッサンの毒気にやられて、幽玄とか奥ゆかしさとかを細かく感じ取る嗅覚がまるで機能しなくなっている。能は改めて、お金をちゃんと払って能楽堂で見ようと思う。高層ビルやレインボーブリッジがきらきらと光るのを背景に、シテが舞っているのは何ともシュールだった。
藤岡弘を胡散臭く味付けした風貌の深見氏をよくよく調べると、ワールドメイトという新興宗教の教祖だった。思わず膝をたたいてしまうほど合点がいくオチ。他にも数々の事業をしていて(ex.みすず学苑)、まあ実業家ですね。あれだけの量の肩書きをパンフレットにならべておきながら、肝心の「ワールドメイト代表」とは微塵も書いてなかったなあ。よく知らないで行った自分が恥ずかしい。確かに無料で能を見ることはできたが、オッサンの宗教活動の片棒を担がされた気分。大変悪い後味。やはりタダほど高いものはない。
カテゴリー "みやこがゆく"
投稿者:miyako |
日時:17:45 |
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